工法の意味を考えながら…北欧クローゼット型収納を分割リメイク


デンマークで購入されたというクローゼット型収納のリメイクをご依頼いただきました。





あちらにお住まいのときに、現地で注文して作ってもらったものだそうです。


このとても背の高いクローゼットを半分にカットして、ふたつの収納棚にしたいとのことだったのですが、ご予算の関係とお客様のご希望で、そのまま真っ二つに切って天板をつけて欲しいとのこと。






「そのまま真っ二つ」



簡単そうに聞こえますよね。


でも実は、こういった箱物家具でそれをするのは大変難しいことなのです。


以前のブログでもご紹介したことがあるのですが、箱物家具はフラッシュ構造で作られていることが多く、ただカットすればいいというわけにはいきません。

フラッシュ構造はリサイズできない!?思い出の婚礼タンスをリメイク!




↓の図のように、芯材が入っているのは必要最小限の箇所のみで、リメイクのためにカットしたり使う向きを変えたりすると、力のかかる方向やバランスが元の状態とは変わってしまうので、構造的に無理なことがほとんどなのです。





今回のご依頼品は、使われていた板が「無垢材をベタ芯にして無垢材で囲む」というあまり見ないタイプのものでした。





ベタ芯構造というのは、↓の図のように空洞のない板の表面に仕上げ材を貼るつくりです。





ベタ芯構造自体は特殊なものではありませんが、芯材が無垢材というのは大変珍しいのだそうです。


これはフラッシュ構造にするための手間やコストを惜しんだのではなく、無垢板を使いながらも反りや狂いが出にくくするための工法だと思われるとのこと。





そもそも手間を省くだけなら、最初から無垢の一枚板を使った方が早そうな気もしますが、そういう単純な話ではないんですね。


言ってみればベタ芯構造と無垢板それぞれのいいとこ取り、という感じでしょうか。うーん、奥が深いです。





こんな風に、最初に作った職人さんの工夫の跡が見つかったりするのも、リメイクの面白いところかもしれません。


ちなみに、芯の材には通常は「パーティクルボード」「MDF」などの木片を固めて板にしたものが使われるそうです。


また新しい言葉が出てきちゃいましたが、こちらについてはまた別の機会にご説明させていただきますね。


ともかく、完全な無垢板ではありませんが、中が詰まったある意味無垢板と同様の構造だったので、ご希望に沿ったリメイクをすることができました。





お客様のお宅で現物を見ながらご相談し、上下をそれぞれ逆にして天板をつけることに。


天板には、お客様からお預かりした棚板を使用しています。





また、元は扉だった部分も「板として使いたい」とのご希望に合わせて加工しました。


そしてご覧の通り「真っ二つ」、そっくり同じ大きさのふたつの収納棚が完成!





塗装は不要とのことでしたので、木目の風合いを生かした素地仕上げでお渡ししました。





ROOTS FACTORYでは、「他のところではできないと言われてしまって……」というリメイクのご依頼をよくいただきます。


もちろん、「できない理由」はそれぞれにあるのですが、それを踏まえた上での代案や解決方法をご提示できる場合もたくさんあります。


お客様のご予算とご希望に応じてリメイクできますので、「無理」とあきらめずにまずはご相談くださいね。






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