「思い出の婚礼タンスを大事に使いたい」玄関キャビネットにリメイク
婚礼タンスから玄関用キャビネットにリメイクさせていただきました。
京都から奈良にお引越しを控えているというお客様からのご相談でした。
婚礼タンスをご新居に置ける場所がなくなってしまうためリメイクして持っていけるようにできたら、とのこと。
私ユリマタタがお電話でお客様の家具への思い・ご希望などをお聞きした上で、家具作りたいおっさんが直接京都のご自宅へ伺い、お打ち合わせ・家具のお引き取りをしました。
お電話でお話しをお聞きした時点では、「サイズを小さくしてウォークインクローゼットの中に収められるようにしたい」とご希望いただいていました。
しかし、お打ち合わせから帰ってきた家具作りたいおっさんに話を聞くと「玄関用キャビネットにリメイクすることになった」とのこと。
用途が衣類収納から玄関収納に?いったいなぜ…?
実は、家具作りたいおっさんがお打ち合わせに行くと、このように”最初お聞きしていたお話から内容がガラリと変わる”ということがよくあります。その理由は…
まず、元々お客様はご新居のウォークインクローゼットに設置しようとするとサイズの兼ね合いで床下収納に被ってしまうことをお悩みでした。
「横幅や奥行きを縮めたらそれを解決できそう」とお問い合わせいただいていたのですが、こちらの婚礼タンスは戸が引き違い戸であったため、横幅を小さくすると開け閉めに干渉してしまうことがわかりました。
仕様を引き違い戸から開き扉に変更すれば問題をクリアできるけどそうするとご予算に合わなくなってしまいそうだし…ウォークインクローゼットだから戸を外してしまうかという話もあがりかけたのですが、婚礼タンスの顔でもある戸が無くなると面影も薄らいでしまいそうでした。
どうするのが良いかなぁと考える中、お客様から「実は玄関収納にリメイクしようかなとも考えたんですけど、せっかく内側が桐材なのに衣類以外の収納に使っちゃうのはもったいないかなと思ってて…」とお話しいただきました。
それを聞いた家具作りたいおっさんはこう言いました。「たしかに内側が綺麗な桐材でできているけど、でも”このタンスを活かす”という視点でみると、手がかかっている表側の扉などが活きる形にする方がより面影を感じられるのでは?」
そうなんです、こちらのタンス、シンプルながら美しい飾り彫が入っていますよね。職人さんの手がかかっているのがよくわかります。せっかくこの婚礼タンスをリメイクするのであれば、こちらの戸はぜひとも残したいところです。
お打ち合わせしていく中で、婚礼タンスの面影を残せるよう玄関用キャビネットにリメイクすることにお客様も前向きになられました。
ただ、そのままのお色味だとご新居の内装から浮いてしまいそうとお客様は心配していらっしゃいました。
そこで、ルーツファクトリーの製作事例をお見せしながら「玄関の内装に合わせて全体を白く塗装するのはいかがでしょう」とご提案しました。
そうすると、「これステキ!」「イイかも!」と気に入ってくださったお客様♪婚礼タンスの面影を残しつつモダンなご新居に合う玄関用キャビネットにリメイクすることが決まりました!
お打ち合わせを終え、家具をお引き取りした後にはお客様からこのようにメールをいただきました。
「家具引き取り後も、祖母から貰ったタンスに手を加える事に、申し訳ない気持ちや、姿を変える事の寂しさ、色んな気持ちが入り混じっていました。でも、阪井さん(ルーツファクトリー代表)のお人柄や、(ルーツファクトリーの製作事例の)姿を変えた家具達をみて、ルーツファクトリーさんにお願いして良かったと、出来上がりがより一層楽しみになりました。」
お客様の家具やお祖母様を思うお気持ちがひしひしと伝わってきて、リメイクでそのお気持ちに応えたいと強く思いました。
お客様の思い出を繋ぎ、そしてご新居で心地良くお使いいただけるように、張り切ってリメイクさせていただきました!
さっそく素敵に生まれ変わった家具をご覧ください♪
じゃじゃーん!がらりと雰囲気が変わりましたね。でも随所に面影が残っています。こだわりポイントはたくさんあるのですが…まず戸について。
真ん中の戸、元は鏡が付いていましたよね。左右の戸は高さをリサイズして活かしたのですが、真ん中の戸は高さをリサイズするだけでなく、お客様のご希望で鏡部分を木製に作り替えました。まったく違和感なく馴染んでいます。
そしてお色味。黄味を抑えグレーがかった白色に塗装させていただきました。一口に「白」といっても、実は何種類もあります。玄関のお写真を拝見して、塗装色のサンプルをお客様にお送りしたりして、きめ細かくお打ち合わせしました。
脚はモダンな雰囲気に合うようにスッキリとしたテーパーカットの角脚を取り付けました。
そして扉を開くと…
こちら、おわかりになるでしょうか。婚礼タンスの左下に入っていた小引き出しを活かしたのです。
引き出しの前板のデザインが少し変わっていますね。こちらは、全体の奥行きをなるべく確保しつつ戸の開け閉めに支障が出ないように、取っ手の取り付け部分を少し掘り込む加工をしたのです。
ちなみに引き出しは元のお色のままとなっています。戸を開けると一層元の婚礼タンスの雰囲気を感じられますね。
こういった小さな引き出しがあると、鍵やハンコなどの小物類を収納できて玄関で大活躍します♪
さぁ、細部までこだわってリメイクさせていただいた玄関用キャビネット。お客様のご新居に納まった姿、気になりますよね。
素敵な玄関にぴったりの家具となりましたよ。それではお客様のご新居に設置させていただいた時の写真をご覧ください!
わー!素敵すぎるー!
スッキリとしたラインに扉の飾り彫がアクセントになってとてもお洒落です。お隣の白のシューズクロークとも合っていますね♪
高さをコンセントに被らないようにお打ち合わせして決めたので、ちょうどぴったり。シンデレラフィットですね。
家具のリメイクについてお打ち合わせにお伺いした際に、お客様は「形を変えることに迷いがある。」と仰っていました。
ご結婚時にお祖母様から贈られた大切な家具だったそうで、「今はいないおばあちゃんが買ってくれた大切な家具。でも『大きすぎて邪魔だなぁ』と思うこともおばあちゃんに申し訳なく思っていました。前に引っ越しした時も隅に追いやってしまう感じになってしまっていて…大事にずっと使い続けるにはどうしたら良いかなぁとずっと悩んでいました。」と涙ながらにお話しいただきました。
そして、納品時。家具作りたいおっさん(阪井)が直接奈良のご新居へ納品にお伺いしたのですが、お客様の前で梱包を解いて「じゃじゃーん!」とお披露目すると、しばしの沈黙があったそうです。
「あれっ?もしかしてイメージと違った!?」とドキドキしたそうですが…なんとお客様、涙を流して喜んでくださっていたそうです…!
私は残念ながら納品に立ち会えませんでしたが、そのお話しを聞いてとても嬉しくなりました。お電話やメールで細部のご相談をさせていただき、こうして形になり、それを喜んでいただけて、胸がいっぱいです。
思い出の家具とともにご新居での生活を楽しんでいただけたら何よりです。
大切な家具のリメイクをご依頼いただきありがとうございました!
ユリマタタ
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