2020-05-04

婚礼タンスをキャビネットにリメイク！ミシンや金庫、アルバム収納に

こんにちは、ユリマタタです。

今回はこちらのブログの続き、婚礼家具の洋服タンスと和タンスをシングルロッカーとキャビネットにリメイクさせていただいたお話のうち、キャビネットについて詳しくご紹介します！

婚礼家具をリメイク！吊り降ろしで搬出の大きなタンスを小さな家具に

はじめは、ミシンや金庫を収納できてさらに天板を広げたらミシン作業もできる、ライティングビューローのような形にすることはできますか？とご相談いただいていました。

でも、ライティングビューローのような構造は、天板に重いものをのせて作業するのに向きません。お客様は「それならミシンは他のテーブルでやろうかな」と仰り、キャビネットとしてデザインを詰めていくことになりました。

ルーツファクトリーではお客様に家具を安心して長くお使いいただけるように、もしご相談いただいた内容が不安要素を含むものであった場合お伝えするようにしています。

お客様のご希望をお伺いした上で「それでは、どんな家具を作るのがベストか」を一緒に考えていきますので、どうぞ気兼ねなくなんでもご相談くださいね（＾＾）

さて。

お客様とご相談の上、キャビネットの下部は開き扉にしてミシンと金庫を収納できるように、上部にはアルバムなどを収納したいとご希望いただき、オープンタイプの棚を作ることになりました。

開き扉は洋服タンスの扉を加工して製作します。

ちなみに、タンスの扉の加工の様子をチラリとお見せすると・・・

扉はカットして使用したのですが、婚礼タンスの扉はこのように真ん中の『鏡板（カガミイタ）』を枠で囲う『框（カマチ）構造』になっている（ことが多い）ので、ただカットするだけでは扉として成立しなくなってしまいます。

そこで、再び扉として使えるように加工をするわけですが・・・ふふふ、どんな風に仕上がったかは完成をご覧いただいてのお楽しみ。

キャビネット全体の側板は、和タンスの側板を使用したのですが、こちらも製作風景をご覧ください。

和タンスの側板、天板、台輪、すべて見るからにガッチリと接着されていますが、果たして綺麗に分解することなんてできるのでしょうか。

わぉ、接合部分のダボ一つ折れることなく分解できました。

そして、引き出しの棚板部分も全て綺麗に取り外して、この通り！

といっても、実は分解すれば即材料として使えるわけではなく、婚礼タンスの側板はフラッシュ構造といって中が中空なので、再度加工するには材料として使えるようにさらに加工しなくてはならないのです。（んん？ややこしいぞ？）

その”側板を材料として使えるようにする加工方法”は家具作りたいおっさんから「企業秘密♡」と言われてしまったのでお見せできません。

とにかく言えるのは、かなり手間をかけた作業だということ。~~紹介するのも骨が折れるくらいなので、おっさんに企業秘密宣言してもらってちょっと安心しました。~~

さぁ、そうしてありったけの手間をかけてようやく完成したキャビネットはこちら！

婚礼タンスの美しい赤紫褐色の部材がいきた素敵なキャビネットとなりました。

上部のオープン部分や取っ手などにナチュラル色の素材を用いることで、コントラストが効いてお洒落に仕上がっています。

そして、お気づきでしょうか。オープン部分もそうですが、内部（棚板や背板）にも婚礼タンスの材を使用しているのです。

元のタンスの棚板は、ミシンや金庫など重いものをのせられる強度はありませんでした。

これまで書いてきた通り元の材料を加工して新たな材料にするのは手間も金額もかかるのですが、今回「元の素材をなるべく使ってほしいけど予算も抑えたい」とご希望いただいていました。

そこで・・・厚みのないタンスの背板を棚板の表面材にして、棚板の厚みにする際に中身に強度のある材を用いて加工しました。

そうすることで、材料費を抑えつつ、加工も”一般的な板材の作り方”と同じようにすることができました。お客様のご希望とご予算に合わせてのリメイク、ここまでできるとは！

再加工して作った扉も、縁の部分までなんとも可愛らしい♪

ちなみに、リメイク後のキャビネットの大きさは、W800mm D385mm H1200mm 。元の婚礼タンスがH1950mmほどあったしその他のサイズもキュッと小さくなりました。このサイズなら地震などもしもの時も安心ですね。

こちらを、もう一つリメイクで製作したシングルロッカーと一緒にお客様のもとへ納品させていただいたのですが・・・そのお話はまた改めて。

次回のブログではシングルロッカーの詳細に迫ります！どうぞお楽しみに！

（5月5日【婚礼タンスからシングルロッカーにリメイク編】アップしました！）