婚礼タンスのパーツを活かし収納力たっぷりのキャビネットにリメイク
婚礼タンスの様々なパーツを活かして、腰高サイズのキャビネットにリメイクさせていただきました。
転勤でお引っ越しをすることが多く、婚礼タンスを持ち続けるのが大変になってきたと仰るお客様からのご相談でした。
先日、和タンスをウォークインクローゼット内で使えるようにリメイクしたお話や、整理タンスに天板を製作したお話をご紹介しましたが、婚礼セットの洋服タンスについては「最近は部屋にクローゼットが付いている家が多いから、必要なくなってきて…」とお悩みのご様子でした。
「キャビネットなど、違う用途の家具にリメイクできたら嬉しい」とお話しいただき、お客様にヒアリングしながら家具のデザインを考えていきました。
キャビネットに収納されるものは、書類や小物類とのことでした。そこで、お客様からまず第一にご希望いただいたのは、小物類を収納しやすいように和タンスの小引き出し4杯を配置することでした。
そして、扉付きの棚収納もあったら書類を収納するのに便利だよねというお話になり、引き出しと同じ幅である和タンスの扉を隣に配置することに。
では洋服タンスのパーツはどうやって使うというのでしょう。
なんと…キャビネットの側板!素敵なデザインでさらに強度もしっかりしている洋服タンスの扉を、キャビネットの側板に活かしてリメイクしました。
さぁ、どのようなキャビネットが完成したのでしょうか。リメイク後の写真はこちらです。
W1030 D370 H955のスッキリとしたキャビネットが出来上がりました。
正面にも側面にも、婚礼タンスの面影が残る仕上がりに。
引き出しは元々、一つ一つ形が違った(引き出しの箱に対して前板の位置が微妙に異なっていた)のですが、それぞれを組み直して縦4段に綺麗に配置できるようにしました。
また、スライドレールも仕込んで開け閉めがスムーズになりました。
左側の扉内部には可動棚を2枚入れて、申し分ない収納力となっています♪
ちなみに、引き出しの上にあるオープン部分は、扉の美しいデザインをそのまま活かせるよう引き出し4段との高さの差を埋めるために設けたのですが、こちらもまた”みせる収納”を楽しむことができます。
脚のデザインについては、お客様から「ただの四角い脚ではなく、かと言って華美な装飾のあるものでもなく、少しおしゃれな感じにしたい。」とご希望いただいていました。
テーパーカットの角脚を取り付けることでスタイリッシュに仕上がりました。
婚礼タンスの面影を残しながら大変身を遂げたキャビネット。お客様のお引っ越し先である仙台に、他の家具とともにお届けにあがりました。
他の家具を先にお披露目し、最後にこちらのキャビネットをお披露目したのですが、お届けにあがったルーツファクトリー代表の家具作りたいおっさんいわく、「その時のことを思い出す度にニヤけてしまう」というほどお客様が喜んでくださったそうです。
残念ながら私ユリマタタは納品に同行できなかったのですが、後日お客様のお気持ちが伝わるとっても嬉しいメールを頂きました。
「ルーツファクトリーさんにお願いして本当に良かったと感じました。
住宅事情を考慮し洋服タンスについては全く残しませんでしたが、キャビネットの外枠に洋服タンスの扉を使用していただき、リメイクに携わってくださった職人の皆さまが、婚礼家具の職人の方達や婚礼家具を用意した両親に思いを馳せて洋服タンスの扉を残してくださったと感じ、改めて感謝いたしました。」
ところで、実は婚礼タンスをお引き取りに伺った時に小さな花台へのリメイクもご検討いただいていました。しかし、お打ち合わせを重ねる中で、花台は製作しないことになりました。そのことについて、お客様から頂いたメールにはこのように綴られていました。
「当初、花台等も検討しておりましたが、転勤族で数年後には引越しがありますので、家具を増やす事に抵抗もあり諦めておりました。
しかし、キャビネットの天板は高さも奥行きも花を飾るのにちょうど良く、踏み台に飾っていた生け花をさっそく飾りました。」
こちらがお客様が送ってくださったお写真です。
とっても素敵!たしかに、お客様が仰るようにサイズ感もぴったりですね。
メールは「どれも大変丁寧に仕上げていただき、本当にありがとうございました。」と締めくくられていました。思いのこもったメールに、胸がいっぱいになりました。
大切にしてきた婚礼タンスを引っ越しで手放さなければいけない、でも簡単に処分に踏み切れるものではない…そんな迷いの中、ルーツファクトリーを見つけてくださったそうで、リメイクをご依頼いただきました。
当初、大切な家具に手を入れるということに迷いもあったそうなのですが、生まれ変わった家具をご覧いただいて「リメイクして良かった」と思っていただけて、とても嬉しく思います。
素敵なご依頼をいただきありがとうございました。
ユリマタタ