言葉の先にあるもの。家具創りで大切な「伝えられない部分」の話。
家具作りたいおっさんとしての僕の仕事は最近、お客さんとの打ち合わせやヒアリング(聞き取り)がメインになっています。オーダーメイドやリメイクで家具をつくる(創る)時に欠かせない作業なんですが、その中で特に大事にしている事があります。
それは、とってもシンプルでとっても難しいこと。その時その場で、そのお客さんが
どんな言葉を言ったかではなく何を伝えたいか
を全力で聞き取るという事。人によって言葉や表現は様々で、例えば「大きい」とか「たっぷり」とかっていう表現の程度なんかまさにそれで、ある人が「大きな棚が欲しい」と言ったとします。
「大きな棚」という、その時その人が欲しいと思っている対象が、2mなのか20mなのか?どんなデザインでどんな材質を使うのか?それは「仕事」ではすごく重要な事。
だから絶対的な尺度として「◯m」はすごく重要で、さらに家具の場合で言うとそれは「◯000mm」(mと言われてもmm以下でつくる為千倍になる)って事になる。それはプロとして当たり前で、たぶんどこでも当然にやってる事だと思います。
でも僕が大切にしてるのはそのもうひとつ向こう側の部分。「大きい棚」と言う人に「サイズは?」と聞いていくと答えは出る。でも、もしかすると出来上がった時それはその人が欲しかったものや必要としていたものではないかも知れない。
「仕事やしそんなトコまでは考えてられんわ〜」と以前そんな話になった時に、とある職人さんが言ってました。確かに職人という仕事は「言われた事を忠実に形にする」という部分が重視され、実際にそれが重要だと思います。
でも、ルーツファクトリーはそれだけじゃ嫌なんです。確かにプロ同士のお仕事ではその「言ったこと」が非常に重要です。でも、ルーツファクトリーで製作させて頂く家具の場合は多くが違う状況です。
それは、「お客さまはプロではない」ということ。お客さまが発した言葉は、お客さまのイメージするものと一緒とは限らない。むしろ自分の欲しいものを明確に言葉で伝えられるお客さまは皆無だと思います。ほぼ出会った事ないです。
でも、ルーツファクトリーなら、それで良いんです。その「伝えられない部分」をカタチにするのがルーツファクトリーの仕事だと思っています。
だから僕はヒアリングの時、お客さんが「大きな棚」と伝えてくれた「それ」が本当に「棚」なのか?お客さんはその「棚」で何をしたいのか?「伝えられない部分」を大切に、全力で拾うようにしています。
言葉の先にあるもの。
それをずっと念頭に置いて、想像しながら、お客さんの話をできるだけたくさん聞きます。お客さんの「欲しい」を少しでも多く正確に感じられるように。そして、お客さんの伝えてくれた言葉との答え合わせをしながら自分のできること、するべき仕事を考える。
それが僕が特に大切にしている事。「こんなのが欲しかったの!!」そう言ってもらえる家具創りができるように。
「家具作りたいおっさん」阪井
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