大きな節目、別れの日。たくさんの笑顔と思い出を、今まで本当にありがとう。
昨日、ROOTS FACTORYは大きな節目を迎えました。
大きな節目だけれど、とてもひっそりと。
ROOTS FACTORY(ルーツファクトリー)は家具屋です。
大阪の有名な家具の街、堀江から自転車で5分ほどの場所、
浪速区の木津川という所に延べ150坪の3階建ての倉庫がありました。
1階はオフィスと車庫兼倉庫で、色んなものが置いてある場所。
2階が家具の工房になっていて、そこで日々製作しながら試行錯誤、
色んな家具を生み出してきました。
そして、3階がROOTS FACTORYの家具のショールーム、
オリジナル家具やリメイク家具を展示していました。
3階のショールームは夏はとても暑く、暑い時期の家具の撮影はまさに修行でしたw
そうやって毎日毎日、木津川倉庫から家具を発信し続けてきました。
そしてもうひとつ「家具を楽しむ」をコンセプトに掲げるルーツファクトリーならではの事があります。それはイベント。
楽しいことが大好きで、何かきっかけがあるとイベントを開きました。気づけばいつの間にかたくさんのイベントをやってきました。
でっかいDJブースを組んでタンスでダンスホールをつくったイベント
「エブリバディ・タンス・ナウ」
大きなステージを組んで紙芝居にライブにダンスパフォーマンスに寒ブリの解体ショーまで、なんでもありのハチャメチャな新年会、
「新春、お茶目ランド」
みどりの日にちなんで何から何まで緑色に染め上げるみどりのお祭り。1日限定の緑だらけのアートギャラリーをつくったり、みどりの食べ物のコンテストやライブペインティングにセクシーダンスまで、
「MIDORI A GO GO!!」
3階ショールームを一夜限りのライブ会場にしてしまったこともありました。家具屋でアコースティックライブ、その名も
「家具アコ」
最後にやったのは東京からミュージシャンや画家のみなさんをお呼びしてのライブイベント、キャンプをテーマにデコレーション、3階はアートギャラリーに。1階ではキャンプファイヤーの代わりに4m近いキャンドルタワーをつくってキャンドルパーティーもしました。
「音屋のキャンプ」
たくさんの人の出会いの場、きっかけの場となり、たくさんの笑顔が生まれたROOTS FACTORY木津川倉庫。
はじめてこの場所を借りてから、いつの間にか10年以上が経っていました。
ROOTS FACTORYがこの世に生まれる前から、毎日毎日、木津川のこの倉庫に通っていました。そしてそれはこの先もずっと続くんだと思っていました。
それが変わってしまったのは約1年前のあの日、7/31です。
なんと、工房が火事で燃えてしまったのです。
出火原因は40年前のトランスという電源設備、壁の中に埋まっていた建物側の設備が原因でした。まさに青天の霹靂、本当にびっくりしたし、「この先どうしよう…」と正直途方にくれた時もありました。
普通なら絶望的なアクシデントなのかもしれませんが、たくさんのお友達に励まされ、助けられて、おかげでなんとか頑張ることができました。
何年か前から「いつかこんな場所に工場をつくりたいな」と思っていた淡路島に、不思議なご縁とつながりで、なんと工場を構えることができました。
まだまだ動き出したばっかりで、これからもやることは山積みですが、最高の環境に工場ができたんです。
そして、店長ユリマタタこと山本の就任が決まり、東京店が稼働しはじめました。
若干24歳ながらに毎日ブログを更新し、東京店だけでなくROOTS FACTORYの広報隊長として頑張ってくれています。
そして大阪の本社オフィスは今準備中、日々のバタバタの合間を縫って稼働の準備を進めています。
絶体絶命のピンチだったにも関わらず、たくさんのみなさまのご好意とご縁を頂いて、なんとか家具をつくり続ける事ができています。
まさに奇跡、としか言いようがないくらいの幸せ☆
そんな中、ずっと気になっていた事、それは大量の燃えた残骸が残った木津川倉庫でした。事情が事情なので賃料もかからなくはなっていたのですが、引き渡しはできておらず火事の影響で建物は損壊して使えない状態、解体される事は決まっていました。
要るものだけを抜いてそのまま明け渡しても良かったのですが、お世話になった木津川倉庫、最後くらいは綺麗にしてあげたかった事もあり合間を見ては片付けに行って、少しずつ少しずつ綺麗にしてました。
そんな中、火事の後、最初で最後のイベントをしました。
「ROOTS FACTORYお別れ会」です。
たくさんの思い出と笑顔の記憶が詰まった木津川の倉庫、ROOTS FACTORYが生まれた大切な場所。お別れ会では、たくさんの人が笑顔で見送ってくださいました。
はじまりがある事は終わりがある。
でも終わりがあるから、またはじまりがある。
ROOTS FACTORYにとって昨日はその「終わりの日」でした。
丸2日かけて、なんとか最後の片付けと荷物の搬出を終えました。
火事からなんと11ヶ月!ほぼ一年の月日が経ったんですね。
なにもなくなってガラーンとした倉庫、そこにはもうなにも残っていない筈なのに、
昨日の事にように、みんなの楽しそうな笑い声が聞こえるような気がしました。
火事以降重たくてバールでこじ開けないと動かなくなってた大きな鉄の扉が
昨日最後に閉めた時、今までにないくらい軽く静かに閉まりました。
ROOTS FACTORY木津川工房は、家具をつくる場所だったけど
もしかすると笑顔をつくる場所だったのかもしれない。
この扉の向こうには、永遠に消えない大切な思い出がいっぱい詰まっています。
もう開ける事はできないけれど、最高に楽しかった日々は決して忘れません。
たくさんの笑顔と思い出を、今まで本当にありがとう。
「家具作りたいおっさん」阪井
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