2017-01-02
「家具作りたいおっさん」のひとり言
第7話:GAME OVER寸前!やっとバトンをもらえたリレー走者とタニヨンベース「火事からの5ヶ月のキセキ」
GAME OVER寸前で遂に!ここからは自分で走れる。
9月の1ヶ月間は本当に苦しかったです。
苦しい時に苦しいって言ってるともっと苦しくなるから、
僕は苦しいのが終わってから言うようにしてます。
つまり、今はもう心身ともにこんな感じですw
おっ玉葱、これも金山(もう少し後で登場)さんの仕業ですw
甘い言葉に甘い期待したら泣きベソかくよ
保険調査員の人が来た時はもっと早く済むと思ってました
「この状況(過失がなく甚大な被害)だから保険は出ると思いますよ」
「こういう事は先に言っちゃいけないんだけど、たぶん満額」
火事から割と間もない段階で、
保険屋さんからそういう風に聞いていました。
まさか火事になるなんて想像もしていなかったので
そんなに大きな保険をかけていませんでした。
満額といっても通常の売り上げの3ヶ月分程度で
何ヶ月もかけてつくっていた納品待ちの家具たちの再製作の費用や
新たに木工機械や工場を準備する費用と引越しや後片付けの費用、
必要最小限の見込み額の半分にも届かない額でした。
それでもまとまった額のお金が入るという事は
まぎれもなく希望の光でした。
「いつ出ますか?」
「それはなんとも・・・」
「目安だけでも!」
「1ヶ月…かな…なんとも…」
このやりとりで、なんとなく8月末には保険が入って
少しでも早い段階で次へ向かう対策ができるつもりでいたんです。
「これかな?」っていう物件見つけたり
かなり気に入って10回以上見に行った流れちゃった物件
いろんな準備したり、
そして保険がおりたら直ぐ決済しようと。
いつ降るか分からない雨を待って砂漠を彷徨う。
一番苦しかったのは「いつ?」が分からなかったこと。
再製作のコストに家賃や月ごとのいろんな支払いでお金は出ていくだけ。
せっかく見つけた物件も「確定じゃないと押さえられない」で流れたり
手を打てず、時間が経つごとに傷が広がっていくのです。
毎日のように進捗状況を電話して聞いてましたが全く教えてもらえず
いつ降るのか分からない雨を待って砂漠を彷徨っている感じでした。
10/7の金曜日の夕方、携帯が鳴ったので出ると
「やっと本社の決済がおり今入金手続きしました!翌営業日着金です!」
これでやっと動ける。
それが心底嬉しかったです。
十分な予算とは到底言えない、でも次に進むチャンスをもらえた。
長い待ち時間で余力はすっかり無くなって、GAME OVER寸前でした。
まさに首の皮一枚つながった状態
やっとバトンをもらえたリレー走者の気分でした。
この日以来、不思議と頭に浮かぶのは未来への希望ばかり
状況が激変した訳じゃないんです。
でも、たったひとつ変わったのは
ここからは自分で走れるということ。
本当はその前も自分次第だったんですけどねw
この時はそれくらいいっぱいいっぱいに追い詰められてました。
10/11(翌営業日)の朝すぐに銀行に行ってお金をおろし
待ってもらっていた新しいスタートの為のいくつかの契約を済ませました。
谷町4丁目の基地。タニヨンベース
タニヨンベース電話工事の日、今もまだ絶賛工事中です
火事っていうびっくりな出来事から実現しそう…
というか実現するしかなくなっちゃったという方が正しいんですがw
けっこう前から夢見てたROOTS FACTORYの理想の布陣があったんです。
わりと壮大だったので「いつの日か!」って感じだったんですけどね。
それは、
都心部にお店、ゆったりした島に工場、
というスタイルでした。
工場については第5話の「自分が働きたい場所を創るために」に書いた通り
ゆたかな環境でゆっくり心穏やかに家具をつくれる場所
というのが理想像だったんですが
お店はやっぱりお客さんに来てもらいやすい場所が良いな
という思いがありました。
アクセスが良くて居心地の良い場所
そこでゆっくりお客さんに家具を見てもらったり知ってもらったり
じっくりオーダーメイド家具の打ち合わせができたらな、
という思いがあったんです。
家具をいっぱい展示しようと思うとどうしても広い場所が必要です。
それもアクセスの良い街の真ん中にってなると
どうしても家賃が高くなっちゃうんですよね。
良い場所だと家賃が高いのは当たり前ってのはそうなんですが
その分どうしても「回転」とか「収益率」とかがシビアになる。
まぁ仕事だからそれも大事ではあるんですけど
ROOTS FACTORYが目指してる「家具を楽しむ」世界は
もう少し違った部分にウエイトを置きたいなって思いがあったんです。
そこで今回いろいろ考えて決めたのは
徹底的にちいさなお店にしよう!
という事でした。
ちいさなお店で維持にかけるコストを低く抑える事が出来たら
お客さんに家具を楽しんでもらう余白をいっぱいつくれるはず!
と思ったんです。
イメージしてるのは秘密基地。
家具大好きな人が、家具の事をもっと楽しめるような場所。
思い通りのオーダー家具が注文できたり
大切な思い出の家具のリメイクがオーダーできたりはもちろんですが、
ただ「家具の相談」だけをできたり
「家具を楽しむヒント」を持って帰ってもらったり
そんなもっと広い意味での「家具を楽しむ」ことができる場所、
都会の真ん中にある家具の秘密基地。
そんな場所を創りたいなって思ったんです。
そこで悩んで考えて名付けたのが
TANI 4 BASE (タニヨンベース)
という名前。
前のROOTS FACTORYみたいに大きくはないので
大掛かりなイベントはできないけれど
もっと気軽に「家具を楽しむ」仕掛け満載の楽しい場所が
大阪でもかなりお堅いエリア「谷町4丁目」にあったら楽しくないですか?
「大阪の地理知らない・・・」って方、すみません。
谷町4丁目は大阪城があったりパスポートセンターがあったり、
なかなか市内の中心に位置する場所なんですが
「繁華街」ではないんです。
お店もあるけどビルもいっぱいあってマンションもどんどん増えてて
栄えてるけど静かでお上品な街なんです。
今までのROOTS FACTORYとは少しイメージ違うかもw
でも、そんな街
谷町4丁目に新しい風が吹いたって良いじゃない?
そんなことを思ってたりするんです。
とはいえなかなか良い感じの空き物件なんて無い(人気で)場所なので
あまり期待せずに探してたんです。
そしたらひょっこり出会っちゃった(第5話:谷4のPUNKな物件)んです。
なんと
賃貸なのにフルリノベーション可!!
しかも古民家じゃなく。
谷4の物件ではなかなか考えにくい条件なんです。
これはもう運命!?
と感じてすぐに申し込みました。
淡路島で見つけた場所と違ってこっちはご縁があったみたいで
なんとか決済待ってもらえて無事契約できたんです。
これからココ、
タニヨンベースがどれだけ面白い場所になるか?
要チェックですよー
セルフ解体工事。自分で天井落としてる時の様子
こうしてROOTS FACTORY火事以降、最初の場所が決まったのでした。
大阪市中央区谷町4-8-18
注目ですっ
完成したら遊びに来てくださいねー!
マッドマックス仕様の車、車検切れ。
第2話、第3話でもご紹介したマッドマックス仕様になっちゃった車
最近の僕の愛車だったんです。
一昨年の夏にすごく不思議な事故があって、
その前に乗ってた車が廃車になっちゃったんですが
今度は火事で被災して2台連続で廃車になっちゃう事に・・・
前回も申し訳なくて(車に)泣いたもんですが、
今回もなんだかすごくかわいそうで申し訳なくて、
修理も考えたんですが、ザクッと見積もりしてもらって
修理代半端ない感じ・・・
車検がちょうど10月中旬までだったので、
乗り換える事にしました。
予算上限は決めてて例のごとく増見さん(第2話参照)に
結構早いタイミングでお願いしてたんですが
前述の事情から保険がおりる前に買うわけにもいかず、
やっと正式にお願いできたのが10/7(連絡があった日)でした。
増見さんは中古車オークションでの売買が趣味なんです。
そしてそれからオークションで車を探して買ってもらいました。
車検が切れる日にギリギリ納車となったんです。
増見さんが来る前に朝から
マッドマックス仕様車の最後の洗車。
廃車になると分かってても、
お世話になった車です。
フロントガラスは40cmの長さのヒビが入り
天井やボンネットは焦げ跡だらけの凹みだらけ
窓も時々閉まらなくなるし
最後の方は走ってるとずーっと「ガラガラガラガラ」って変な音してました。
火事以来、淡路島に愛媛に何往復も、それも1〜2日で、
とかいうすごくタフな使用で、まさに文字どおり
満身創痍の状態で頑張ってくれました。
「今までありがとう!」
と感謝の気持ちを込めて最後の洗車をしてると
やっぱりなんだか寂しくなりました。
短い間やったけど楽しかったよ。
ありがとう。
まさに満身創痍の状態で本当によく頑張ってくれました
そうこうしてる間に増見さんが到着しました。
マッドマックスちゃんと入れ替わりに、新しい車が来ました。
今後かなりの頻度で長距離を運転するので
安くはない買い物ですが
安心して乗れる車にしました。
でもまさかこの日から2ヶ月で1万km走るとは・・・w
え?金額ですか?
ナイショです。
でも、その辺のお店で買うのと比べると
びっくりする程リーズナブルですよ☆
増見さんの車を選ぶ目は本当にシビア&愛に溢れてます
気になる人は、増見さん紹介します。
「もう他所で車買えない!!」ってなっちゃうからw
ちなみに僕がそのパターンです。
つづく・・・
「家具作りたいおっさん」阪井
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お正月SP連載ブログ 全12話
〜ROOTS FACTORY火事からの5ヶ月のキセキ〜
2016年7月31日、火災でほとんど全てを失くした絶体絶命のピンチから5ヶ月、たくさんの優しさとご縁に支えられ「ありがとう」では到底足りない感謝の気持ちと万感の思いを込めて綴った5ヶ月間のキセキです。
第1話:え?まさかウチが!?火事は突然に
第2話:開けない夜はない。信じて進む大切さ。
第3話:出会いと別れ。現実、それは過酷で果てしなく、残酷で無慈悲?
第4話:宮崎へ行く理由。どこで誰がなにをするか?
第5話:宮崎から戻ってからの1ヶ月。愛媛に淡路島に授業に谷4に船。
第6話:やっとはじめられた片付けと、長い長い長い待ち時間。
第7話:GAME OVER寸前!やっとバトンをもらえたリレー走者とタニヨンベース
第8話:宮崎からの偶然の連続。とんでもない割烹「和楽」
第9話:季節とともにリズムが変わる。たくさんの気づきと…
第10話:衝撃的な大失敗!決死のプロモーション大ゴケ!!でも…
第11話:店長浜ちゃんの卒業と一風変わった求人。気持ちの距離を縮めたい。
第12話:最高の5ヶ月間の体験。全ては縁でできている!
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