豪雨災害。広範囲で被災した場所とたった一軒だけの被害で済んだ場所
今回の西日本豪雨災害を受けて、ルーツファクトリーは大恩ある西予市で被災された皆さまの暮らしの復興の足しにして頂きたいという思いで愛媛県に義援金を送らせて頂く事にしました。
愛媛県西予市は、ルーツファクトリーが火災に遭い、工房やショールームなど、全部が焼失してしまった時、ご縁を頂いて臨時の工房を構えた大切な場所です。個人的に(というかルーツフクトリーとして)所縁のある場所に、少しでも力になれたら。という思いからです。
愛媛県庁「平成30年7月豪雨災害に係る義援金の募集について」
義援金を送るだけなら「ブログなんか書いてないで勝手に送れば良い」と僕も思います。じゃあなんでブログを書いてるのか?
今回の豪雨災害では西日本の各所で悲惨な被害が出ました。九州も広島も岡山も友人が住んでいます。日本中のどんな土地であっても「どうでもいい場所」なんてありません。日本中というか世界中の人、土地、どこであっても「どうでもいい」なんて事はありません。
でも人間の性とでもいうんでしょうか、どうしても身近な人や関わりのある人に対しては、特に「どうでもよくない」と感じてしまいます。しまうというかそれが自然というか。「他の人が苦しんでいるのに自分だけ、自分の周りだけ良ければいいのか?」
そんな事はまったく思っていないのに、でもどうしても真っ先に頭に浮かぶのは「身近な人や関わりのある人」になってしまいます。本当は良くないのかもしれない。みんなを等しく思わないといけないのかもしれない。自分以外の場所で人が苦しんでいる時に自分だけが、自分の周りだけが幸せではいけないのかもしれない。
僕は、そういう考えが大嫌いです。何度かブログにも書いてきました。でも「そう考える人が嫌い」ではないんです。あくまで「そういう考えが嫌い」なんです。だってそう思っちゃうのも優しさからだから。そう思うのは優しい人だから。
そう、『自粛』というあれです。
「他で人が苦しんでいる時に楽しく幸せに過ごしているのは不謹慎だ。」とかいうアレです。しかも、そういうのはだいたい匿名で、影から、背後から言われます。じゃあどうしろと?
みんなで暗い顔して共に不幸を感じましょう?
一体それが誰の得になるっていうんでしょう?一体それが誰の徳になるんでしょう?ただの不幸の連鎖しか生みません。不幸や不運なことがあって困っている人や悲しんでいる人の横で、わざわざ浮かれて幸せ自慢をする必要はありません。そんな事は当たり前。そんな事を楽しいとか思う奴は今すぐ〇〇と思います。
でも、普段の生活を、前々からやろうとしていたことを「自粛」して一体誰が助かるんでしょう?そんなの回り回ってどこかに不幸のしわ寄せがいくだけです。例えば、
『来週家族で夏の休暇を過ごしに行く筈だった大切な旅行を取りやめてその為にずっと貯めてたお金を義援金として寄付する。』
ここまでできる人に「自粛がしょうもないとか言ってんな。」と怒られたなら僕はもうその人に無礼な事を言ったと土下座して謝ります。でも実際、そこまでやれますか?僕は無理です。友人や大切な人の為に直接なるならやるでしょう。
でもほとんどの場合の「自粛」は違うと思います。
『なんか浮かれる気分じゃないし、不謹慎な気がするし、やめとこう。』
これが『自粛』っていう僕の大嫌いなやつです。しかもこの『自粛』のタチの悪さは、自分だけでなく『楽しそうな人』を目の敵にするというもっと強烈なエグさを持っています。『こっちが我慢してるのにあいつは…』とか不幸の連鎖以外の何を生み出すでしょう?
ほとんどのみなさんは、毎日を頑張って生きていると思います。お金も時間も無限に湧いて出るような人はほとんどいないと思います。僕は完全にそうです。毎日必死に生きていて、元気に楽しく仕事ができるからなんとか生活ができます。だから仕事をやめる(中断する)訳にもいかないし、目立たないように盛り下げる事もできません。
ユリマタタ、楽しそうに、ひたすら面白おかしく書いてますが、心の中では様々な葛藤があります。ユリマタタが前々から計画して、必死に準備して、ちょうど明日からキャンペーンがスタート!!という日、それがあの豪雨の夜でした。
スタート直前だった事もあり、中止にはできませんでした。でもこんなブログを書いとききながら、やっぱり「キャンペーンだイエ〜イ!!」とはできませんでした。そして結果は…
ユリマタタの知人や親戚だって被災した地域にいます。まったく他人事ではないんです。でも、沈んでいたって誰の為にもならない。『意味のない自粛』なんてマイナスにしかならない。じゃあせめてできる事。ちゃんと仕事して、その中から少しでも被災されたみなさんに役立ててもらえるよう義援金を送ろう。
それが僕たちの、ルーツファクトリーしてのできる事であり、するべき事だと思っています。
被災地はたくさんあるのになんで愛媛なの?
これが僕が今このブログを書いてるもうひとつの理由です。確かに西日本のあちこちで甚大な被害がありました。ものすごく大きな範囲で浸水してしまった場所もあれば、たった一軒だけの被害で済んだ場所もあります。
たった一軒だけの被害で済んだ?そこがもし自分の実家ならどうしますか?
被災地のメディアによる報道のあり方には賛否両論あります。実際に僕も「心ない」と思う話を聞いて憤慨する時もあります。でも、報道で被害の悲惨さを伝えるからそこに関心が集まって予算がついたりお金が集まったりするのも事実です。そして、そうやって注目された場所に支援は集中してしまいます。
国とか自治体という大きな単位で物事を判断する役目の人たちは、そうやってグラフ的に被害を考え、影響の多いところを重点的に対策していく、仕方のない事です。限りある力を分配しないといけないから。
でも、たった一軒だけの被害でもそこには人の暮らしがあって生活があるんです。命もあるんです。被害エリアの大きさと被災された人の被害の大きさは比例するわけじゃありません。
だから僕は、ルーツファクトリーは、自分にとって所縁のある場所に義援金を送る事にして、その事をお知らせもして、さらに今ブログまで書いています。人は公平ではありません。なるべく公平でありたいとは思っても、ひとりの人間なんて小さな存在なので、どうしても見える範囲も感じられる範囲も限られます。
豪雨災害前の愛媛県西予市の明浜(あけはま)の海
でも、それを気にして萎縮していても何も良い事はありません。「何もできないから」と暗く自粛して萎縮しているくらいなら、自分に所縁のある人のいる場所や所縁のある場所、そこに遠慮せず目を向けて良い。
火災の後お世話になったルーツファクトリー愛媛工房
このブログを読んで「被害があまりに大き過ぎるし自分のできる事なんてたかが知れてるし」と自粛しちゃっていた(するしかなかった)人が、自粛よりも行動した方が良いんだ、と感じてもらえて、ほんの少しのアクションが生まれて、その輪が広がったなら、ルーツファクトリーの義援金なんかよりもはるかに大きな力が生まれます。
豪雨災害前の愛媛県西予市の明間(あかんま)の森
そして、そうやって輪が広がれば、ニュースや行政の配分では力の届かない所にも手が届くと思っています。どこかの誰かは必ず誰かの家族や親戚や友達や知り合いなんです。みんなが『自分に所縁のある』に遠慮なく目を向けられて、それが広がればどうにもできない不公平がきっと少しは公平に近づきます。
このブログが、今「どうしよう」と迷ってる人に届いて、重苦しい自粛の連鎖ではなく、優しい行動の輪が広がる為の、ほんの些細なきっかけになる事。そして、そこで困っている人とそこに所縁のある人がつながって、誰にとっても自分事として、不幸の共有ではなく、自分のできる事に前向きな気持ちで取り組めるようになる事を願って。
豪雨災害前の愛媛県西予市の明浜(あけはま)の海
このブログで使った写真は、すべて愛媛県の写真です。そしてほとんどが西予市です。きっと今回の豪雨災害で被災されたすべての地域には、同じように素敵な光景がたくさんあった筈です。その光景が少しでも早く戻りますように。
豪雨災害前の愛媛県西予市の明間(あかんま)の観音水
この度の豪雨災害で被災されたみなさま。みなさまが1日も早く、穏やかな日常が取り戻せる事を心から願っております。
「家具作りたいおっさん」阪井
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