2017-01-01
「家具作りたいおっさん」のひとり言
第1話:え?まさかウチが!?火事は突然に【火事からのキセキ】
え?まさかウチが!?火事は突然に
夏の暑い盛り、7/31の事でした。
京都である会にお呼ばれしていたので
電車で1時間以上かけて京都まで行ってました。
どんよりと曇り、時々雨がパラつく日でした。
予定があったので遅れて会場に着くと
すでにイイ感じに出来上がっているみなさん
ほとんど初めてお会いする人達ばかりでした。
いろんな方をご紹介していただいて
ひと通りご挨拶を済ませ
その場にいた方達と他愛もない話をしていた時でした。
どんよりとした空なのに全く気にならない楽しい時間
突然に携帯電話が鳴りました。
実家からでした。
「いきなりどうしたんやろう?」と不思議に思いながら出ると
「車が邪魔やからどけて欲しいと警察から電話があった」
との事、
車が邪魔って言っても
ルーツファクトリーの車庫の中にしまってあるはず。
「一体何が邪魔なんやろう?」と思いながら
聞いた電話番号に電話をしました。
「あーもしもし阪井さん?」
「はい」
「〇〇番はあなたの車?」
「はい」
「消火の邪魔になるんでどけてもらえますか?」
「はぁ」
「なんだか分からないけど僕今京都なのでスタッフ行かせます」
そう言って電話を切って
急いで電話をかけました。
「近所で火事があったらしくて消火の邪魔とか言ってるから車見て」
よく分からないままとりあえず行ってもらいました。
10分ほどして連絡があって電話に出ると
「ウチが燃えてる!」(ROOTS FACTORYのことです)
「え?」
そうですよね、普通に考えたら倉庫内に止めてる車が邪魔ってことは
当然そこが燃えてる訳です。
でも警察の人もテンパってたのか
「近くで火事があって消火の邪魔」というような表現で
まさかまさか自分のところとは思わなかったんです。
しかも、真昼間やし火の元は気をつけてたし。
後で聞いたのですが
ものすごい数の消防車とパトカーだったらしいです。
周囲1ブロック以上丸ごと封鎖、
黒煙がもうもうと上がって
川の向こうの駅からも煙が上がってるのが見えたそうです。
とにかく急いで帰らなくちゃということで
京都から電車に乗って大阪に戻りました。
1時間半ほどして到着すると、
ばっちり燃えてました。
まだ消防車やパトカーは残っていて
現場は熱く中に入ることはできませんでした。
みたところ2階が少し焼けて1階も黒くなってるくらい。
大変な事態には違いないけど
周囲に燃え移ってもいないし怪我人もいない。
とりあえずホッとひと安心しました。
自分で言うのもなんですが
アクシデントがかろうじて服着て歩いてるような人間なので
良くも悪くもトラブルには慣れっこで
あんまりトラブルで取り乱すことはありません。
まぁ燃えたもんはしゃあないし、
「怪我なくて良かった」
と、駆けつけてくれた友人(電車の中で連絡した)とも話しながら
中に入れるのを待っていました。
気がきく人で、なんと焼肉のタレを持ってきてくれました。
ええ、ネタですね。
関西以外の方には理解不能かと思いますが
関西人は大きな消化しきれない出来事が起きると
ネタにして笑い飛ばそうとする習性があるんです。
お見舞いに持ってきてくれた焼肉のタレ
なんで焼肉のタレかというと
関西の超有名な焼肉のタレのCMがあって
それのキャッチコピーが
「焼肉焼いても家焼くな」なんです。
ブラックジョークですねw
「そんな大変な時になんて非常識な!」
と思われる方もいるかもしれません。
でも、大丈夫です。
こういうのって、実は一番元気が出るんですよ。
悲しい時や辛い時は笑い飛ばす!
それが大阪流です!違うかw
待ち時間にダイハードの真似!とか言いながら遊んでました。
ハリウッド映画でよくあるヒロイン救出のシーン
しばらくしてやっと消防の人が
「もう一応収まったのでちょっとだけなら入れます」
と許可が出たので中に入りました。
火元の2階へ上がると
ミシン室があった場所
なかなかなことになってました。
真っ黒でもはや何が何だかわからない状態
現場はまだ煙も残っててじんわり熱かったです。
燃えた工房を眺める家具作りたいおっさんと変態アニメーター
ショールームがあった3階もなかなかなことになってました。
立ち入り禁止のテープが張られた3階の吹き抜けの部分
真っ黒になった空間に立ち入り禁止で張られたテープの赤が
なんだかすごく映えていたのを覚えています。
この時点ではまだ被害状況など全然わかりませんでしたが
とりあえず燃えたことは分かりました。
「明日から仕事出来ないなぁ・・・どうしよかな」
くらいの感じでした。
考えてたってどうしようもないので
とりあえず負けずに肉を焼こう!
ということで駆けつけてくれた友人たちとスタッフと一緒に
近所の焼肉屋さんに行きました。
燃えたものは仕方ない。
なぜか不思議とすぐ諦めはつきました。
「これからどうするかやな」とは結構必死に考えながら・・・
近所のよく行く焼肉屋さんの前で席が空くのを待ってるところ
食べました。
飲みました。
割とすさまじいペースで
完全にやけくそペースでしたw
もう飲んで開き直るしかない!
すごく楽しく盛り上がりました。
いつも何かと助けてくれる大切な友人たちスタッフと共に
楽しい時間を過ごしました。
焼肉を食べめっちゃ飲んで帰り道、
ふとある疑問が浮かびました。
あれ?火災保険入ってたっけ?
サーっと全身の血の気が引きました。
火災保険て掛け捨てで、
前に切れてて気づかずに半年くらい経ってたこともあったんです。
大急ぎで担当の保険屋さんに電話しましたが
夜中になかなか通じません。
しばらくして折り返しがかかってきました。
「火災保険て入ってました?」
「え?どうだったかな、明日確認します。」
そして、人生で一番長い夜がはじまったのでした。
つづく・・・
「家具作りたいおっさん」阪井
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お正月SP連載ブログ 全12話
〜ROOTS FACTORY火事からの5ヶ月のキセキ〜
2016年7月31日、火災でほとんど全てを失くした絶体絶命のピンチから5ヶ月、たくさんの優しさとご縁に支えられ「ありがとう」では到底足りない感謝の気持ちと万感の思いを込めて綴った5ヶ月間のキセキです。
第1話:え?まさかウチが!?火事は突然に
第2話:開けない夜はない。信じて進む大切さ。
第3話:出会いと別れ。現実、それは過酷で果てしなく、残酷で無慈悲?
第4話:宮崎へ行く理由。どこで誰がなにをするか?
第5話:宮崎から戻ってからの1ヶ月。愛媛に淡路島に授業に谷4に船。
第6話:やっとはじめられた片付けと、長い長い長い待ち時間。
第7話:GAME OVER寸前!やっとバトンをもらえたリレー走者とタニヨンベース
第8話:宮崎からの偶然の連続。とんでもない割烹「和楽」
第9話:季節とともにリズムが変わる。たくさんの気づきと…
第10話:衝撃的な大失敗!決死のプロモーション大ゴケ!!でも…
第11話:店長浜ちゃんの卒業と一風変わった求人。気持ちの距離を縮めたい。
第12話:最高の5ヶ月間の体験。全ては縁でできている!
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