60年の歴史。婚礼家具の桐タンス、「ニスを塗って失敗した!」と思っても
先日、お盆に実家に帰省したとブログに書きましたが、その時に実家の近くにある祖母の家にも行ってきました。
祖母の家では親戚が集まって、法要を行ってその後みんなでお昼ご飯を食べたんですけど、途中で祖母に「ユリちゃんちょっと・・・」と和室に手招きして呼び出されました。
「何だろう」とドキドキしながらついて行くと、和室にある桐の整理タンスをさして「このタンスなんだけどね・・・」とポツポツと話し始めた祖母。
この桐タンスは、60年以上前、祖母の親が、祖母がお嫁に行く時にもたせてくれたものだったそうです。
60年以上前!!
良い家具はよく「一生モノの家具」なんて言われるけど、改めてその年月を聞かされると、一つの歴史がそこにドンと佇んでいることに圧倒されます。
それこそ、この桐タンスにはちょっとしたエピソードがあるようで・・・
実は、子どもたち(私の母や叔父)が小さかった時、無邪気にベタベタとタンスに触るもので、手垢がたくさん付いてしまったんだそうです。
そこで、せっかくの桐タンスが汚れてしまうのを気にした祖母は、
ニスを塗ってしまったと。
訪問販売でやってきた業者さんにお願いして塗ったらしいんですけど、後から「やっぱり元の方が良かったかも・・・」と思い直したそうです。もとの桐タンスの風合いがなくなって、まるで違うものに・・・
ちなみに、母が物心ついた時にはすでにニスが塗られた状態だったみたいで、「茶色いテカテカのタンス」だと思ってたそうです。
しばらくはそのまま使っていたみたいなんですけど、月日は経って約20年後・・・新しいお家に引っ越すことになった時に、祖母は「新居に合うように桐タンスを元に戻したい!」と思ったそうです。
そこで、「桐タンス更生」という看板がかかっていたお店にお願いして、2竿のタンスをかなりの金額をかけて直してもらったそうです。
物心ついた時から茶色いテカテカタンスに慣れ親しんだ母は、引っ越す時にタンスが更生されて戻ってきて、「こんな立派なタンスだったんだ!!」とビックリしたんだとか。
(こちらは、今は納戸にしまってある洋服タンス。日に当たらず、あまり触ることもないので綺麗な状態のままです。)
はじめタンスを見た時の感想は正直、ただただ「年季入ってるな〜!(^◇^;)」って感じだったんですけど、このエピソードを聞いたら何だかグッときちゃいました。
長く大切に使われている家具には、それだけ物語もあるんですよね。
あと、「ニスで後悔しちゃった」という話を聞いて、私たちリメイク家具屋は、お客さんがその家具のどんな部分を大切に思っているかを、本当に丁寧に聞いていかなきゃと改めて思いました。
最後に。
「おばあちゃんがいなくなったら、このタンス何か使ってもらえたらな。」と言われたんですけど、「そんなこと、まだ言わないでー!」と思うと同時に、大切な家具のことを託してもらえて、嬉しくもありました。
大切な思いを継げる家具屋でありたいと思います!
ルーツファクトリー東京店長
ユリマタタ
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