終活で婚礼タンスをリメイク。扉や引き出しを活かし、面影を残した下駄箱へ

婚礼タンスの扉をカットして活かし、下駄箱にリメイク。用途が変わっても面影を感じられるデザインに仕上がりました。
ご依頼くださったのは、兵庫県宝塚市にお住まいのお客様。将来的にお住まいのリフォームを検討されていて、終活を兼ねて家具も減らしていきたいとのことから、リメイクを考えるようになったそうです。

終活とは、人生の最後に向けて身の回りのものを整えていくこと。その中の一つとして、大型家具を見直す方もいらっしゃいます。
「終活で家具を見直す」と聞くと、家具を処分するイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、家具を手放すだけでなく、今の暮らしに合う形へと変えて使い続ける「家具リメイク」も、これからの暮らしを考える一つの方法です。

今回ご相談くださったお客様は、家具を減らしていきたいけど、婚礼タンスは形を変えて残したいとのこと。
将来的にリフォーム予定のマンションは「ナチュラルでカジュアルな和モダン風」というイメージがあり、リフォーム後の住まいも見据えながら、3枚扉の婚礼タンスをリメイクすることになりました。

お客様は事前に「どう使っていきたいか」も考えてくださっていて、婚礼タンスから下駄箱(シューズボックス)へのリメイクをご希望です。お住まいのマンションには造り付けの下駄箱がありますが、それを撤去して、今回リメイクするものに置き換えたいとのことでした。

高さは圧迫感が出ないくらいに抑え、デザインはできるだけシンプルに。玄関と室内の床の境目にある框(かまち)に干渉しないよう、設置場所に合わせたサイズで製作することになりました。

婚礼タンスと下駄箱は、どちらも箱型の家具。そのため「婚礼タンスをカットして、棚板を入れたら下駄箱として使えそう!」そう思うかもしれません。
ですが、家具は本来、それぞれの用途に合わせて作られています。今回の下駄箱に必要な棚板も、婚礼タンスの側板にはそのまま取り付けることができません。

婚礼タンスの構造に手を加えて棚板を取り付ける方法もありますが、その場合は工程が増え、費用もかかってしまいます。そこで今回は、費用を抑えながら、箱本体を新しく製作することにしました。

箱本体の製作では、強度もしっかり考えながら組み立てていきます。その接合に使うのが、ビスケットです。
「ビスケット」と聞くと、お菓子を思い浮かべる方も多いかもしれません。ちなみにルーツファクトリーでは、以前こんな“ビスケット型テーブル”も製作しました♪
今回使うのは、お菓子ではなくブナ材で作られた木製チップ。木材同士を接合するためのパーツです。

実際にどのように使って家具を製作しているのかは、こちらの記事で詳しくご紹介しています♪
扉は婚礼タンスのものを活かすため、取り外して加工していきます。今回は、もとの取っ手を残せる高さで扉をカット。でも、カットして終わりではありません。

カットした面には無垢材を貼って、しっかりと補強。さらに、扉裏の鏡やネクタイ掛け、扉を取り付けるための蝶番(金具)も取り外し、新しい家具の扉として使える状態へと手を加えていきます。

そして今回は扉だけでなく、別の婚礼タンスの内部にあった小引き出しも取り入れることにしました。

ただ、そのままのサイズでは下駄箱の横幅に収まりません。そこで、引き出しの箱部分を小さく作り直し、もとの前板を合わせて、下駄箱に収まるサイズに調整しました。

今回のお客様のご要望は「シンプルなデザインの下駄箱」。シンプル=簡単ではありません。どうすれば美しく、使いやすく仕上げられるかを考えながら製作しました。
そうして完成したのがこちらです。

婚礼タンスの雰囲気をそのままに、サイズを抑えて脚を付け、上品ながらも軽やかな印象の下駄箱へと仕上がりました。
高さはもちろん、奥行きもかなりコンパクトに。横幅も少し小さくなり、玄関で圧迫感が出にくいサイズになっています。
サイズはW1244 D370 H1270です。

扉の上部をカットした部分も、タンスの扉と自然に馴染む仕上がりに。全体の雰囲気がまとまるよう色味も調整しました。

今回のリメイクでは扉の取り付け方が変わるため、金具は新しいスライド蝶番に交換。扉を閉めたときに外側から金具が見えないため、すっきりとした見た目に仕上がります。

内部の収納は、右の2枚扉側を6段、左の1枚扉側を4段にしたいとのご要望があり、それに合わせて棚板を入れました。

棚板は可動式で、収納するものの高さに合わせて調整することができます。

婚礼タンスの中にあった小引き出しも下駄箱の中へ。思い出の家具の一部を、内部にも残しました。玄関まわりには小さな収納が少ないことも多いので、鍵や印鑑などの小物を入れるのにも活躍してくれそうです。

下駄箱の内部にはもう一つ、お客様のご要望で思い出を取り入れました。
それは、鏡です。
鏡はもともと外側の扉に1枚ずつ付いていましたが、今回は右側の扉についていたものを中央の扉へ。下駄箱を設置したときに鏡が部屋側を向くよう、扉の開き方に合わせて取り付け位置を決めました。

思い出の部分を残しながらも、これからの暮らしに合わせて形を変えた今回のリメイク。
終活を兼ねた家具の見直しでは、家具を手放すことを考えることもあるかもしれません。そんな中で、「思い出の家具を残したい」「これからも使い続けたい」と思ったときには、家具リメイクという方法もあります。
この度はルーツファクトリーにご依頼くださり、ありがとうございました。大切な家具を末長くお使いいただけますように…♪

やの

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