
家具はどうつなぐ?金具を使わない「ビスケット接合」の仕組み
こんにちは!家具の製作事例・製作ストーリー担当の『やの』です。
いきなりですが、家具の木材同士は、どのようにつながれていると思いますか?
ネジやボルトなどの金具を使う方法を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど家具づくりでは、金具を使わずに木材同士をつなぐ方法もあります。
そのひとつが、今回ご紹介する「ビスケット接合」です。
今回は、ビスケットとはどんなものなのか、ネジなどを使う接合方法と何が違うのか、そしてルーツファクトリーの工房での加工をご紹介します。
木材をつなぐ「ビスケット」とは?
「ビスケット」とは、ブナ材を圧縮して作られた薄い楕円形の木片のことです。
見た目は小さな木片ですが、木材同士をしっかり接合するために使われる、家具製作ではおなじみのパーツです。

ビスケットを使って木材を接合するときは、まず接合する木材それぞれに専用の溝を加工します。そこへビスケットを差し込み、部材同士を組み合わせます。

ただし、ビスケットを差し込むだけで接合できるわけではありません。
ビスケットに木工用接着剤(ボンド)を塗って溝に差し込み、部材を組み立てます。ビスケットは圧縮された木片のため、接着剤の水分を吸収すると膨らみ、溝の中で密着します。接着剤が硬化するまでクランプで固定することで、強度のあるビスケット接合が完成します。

ビスケット接合が選ばれるのはどんなとき?
家具をつなぐ方法には、ネジやボルトを使う方法のほか、木材を加工して組み合わせる方法、接合用の金具を使う方法など、さまざまな選択肢があります。どの方法が適しているかは、家具のかたちや使い方、つなぐ場所によって異なります。
ビスケット接合が活躍するのは、木材同士をしっかりつなぎながら、表面をすっきりと仕上げたいときです。ビスケットは木材の内部に入るため、外側から金具が見えません。また、接着する部材の位置を合わせやすいのも特徴です。

一方で、ビスケット接合は接着剤で固定する方法なので、完成後に分解・組み立てを繰り返す家具には向きません。そんな場合には、クラメックスのような、分解・再組み立てができる接合用のパーツを使うこともあります。
ルーツファクトリーでは、見た目だけでなく、家具の用途や構造、搬入方法なども考えながら、それぞれの家具に合ったつなぎ方を選んでいます。

ルーツファクトリーで使う、ビスケット接合の加工機械
ビスケットを使って木材を接合するには、まず木材にビスケットを入れるための溝を加工する必要があります。
そこで使うのが、ビスケットジョイントカッター(ビスケットジョイナー)という木工機械です。
ルーツファクトリーの工房では、スイス製の「Lamello(ラメロ)」の機械を使用しています。

ラメロは、世界で初めてビスケットジョイントカッターを開発したスイスの木工機械メーカー。高い加工精度や耐久性が特徴で、木材に正確な溝を加工することができます。
ルーツファクトリーでは、このラメロの「Top21」という機械を使用し、ビスケット接合に必要な加工を行っています。

家具をつなぐ方法は、一つではありません
家具製作では、仕上がった家具の見た目だけでなく、どのように部材を組み合わせるかも大切です。今回ご紹介したビスケット接合も、そんな家具づくりを支える接合方法のひとつ。
家具をつなぐ方法はビスケット接合だけではありません。家具のかたちや用途、搬入・組み立てのしやすさなどに合わせて、ネジや接合用の金具など、適した方法を選びます。
普段はなかなか見る機会のない家具の「製作過程」ですが、どんな方法で部材がつながれているのかを知ると、家具を見るのがもっと面白くなるかもしれません♪

やの

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