どうリメイクする!?ハニカム構造の板材をリサイズ&テーブル天板に


前回ご紹介した、洋裁用作業板をリメイクして製作したダイニングテーブル。


洋裁作業板をダイニングテーブルにリメイク!お父様の大切な形見を…




ブログ最後に「完成の姿からはわからない、リメイクならではの大変な作業が工房では行われていました。」と書きましたが、いったいそれはどういうことだったのか!





今回はリメイクの製作について詳しくご紹介します。前回に引き続きブログ担当ユリマタタがお送りします。


まず、今回の作業板のリメイクについて、お客様からのご依頼を大まかにまとめると以下の通りでした。


・ダイニングテーブルの天板として使えるようにしたい。
・サイズを W1840 D910 から W1350 D800 に変更したい。
・長年使われてきたもので反りがあるので直したい。
・使い込まれた味わいを残しながら、大きな穴などを補修したい。





それならば・・・


反りを抑えるために材を縦割りにカットしてその際に穴部など大きな傷も撤去するのが良さそうです。そして、材を接ぎ直してカンナで反りを取ってサンディングして綺麗に仕上げることができそうです。無垢材ならば。





そう、無垢材ならば。


無垢材ならばそうした手順でリメイクすることが可能だったのですが、いざ作業板に刃を入れてみると・・・





作業板は、厚みのある木材をハニカム構造の土台に貼り合わせた仕様となっていたのです。





なんと!!


今まで何千もの家具を分解してきた家具作りたいおっさんもビックリ、あまりにも自然な仕上がりに今回ばかりは見抜くことができませんでした。


ちなみに、ハニカム構造とは六角形が繋がっている構造のことで、ハニカム構造の段ボールをフラッシュ構造の芯材の間に入れている板をハニカム合板といいます。





フラッシュ構造は芯材と芯材の間が空洞になっていて無垢材より軽い材に仕上げることができるのですが、ハニカム構造の段ボールを入れることで、軽さはそのままに強度も持った強い板にすることが出来るんだそうです。


人がのってもびくともしません。





さて、ハニカム構造になっているということは、板を切ってから接ぎ合わせるということができません。


そこで、お客様とご相談の上、土台は新しく作り直し、表面材を生かしてリメイクすることになりました。





これがどういうことかお分かりになるでしょうか・・・いや、製作を体験していない私自身もその全てを分かるわけではないのですが・・・


めちゃくちゃ大変な作業になる


ということだけは分かります( ̄▽ ̄;)





そもそも、無垢材を切って接ぎ直して反りを直す、というのもなかなかに大掛かりな作業ですが、そこに新しい土台を作るという作業が加わり、さらに表面材の扱いにも気をつけなければいけません。


こちらの表面材はかなり厚みのあるものでしたが、その分突き板(表面材として使われる天然木を薄くスライスしたシート)などと違って反りが出てきます。一歩間違えば割れてしまうこともあるでしょう。


そこで、反りが出にくいように短冊状にカットして、隣同士との相性など考えながら並べていきました。





それから、土台に丁寧に接着していきました。





接着できたら、サンディングして傷を落とし仕上げていきます。


そうしてようやく完成したのが、この美しい天板のダイニングテーブルだったというわけです。





綺麗にサンディングしてオイル塗装したことで、板材の継ぎ目も分かりにくいですね。


う〜ん、改めて見てもそんな壮絶なバックストーリーがあったとは信じがたいwすごく自然で素敵な仕上がりです。





お客様もまさかハニカム構造だったとは!と驚かれていましたが、納品させていただくとその仕上がりにとても喜んでくださいました。





「磨いたらもっとあっさりした感じになっちゃうかと思ってたけど、こんな味わい深い板だったなんて」と奥様。


「元はカビとかも生えてしまっていてどうすれば良いか分からない状態だったから、こんな素敵なテーブルにしてもらえて嬉しい!」と言っていただきました(^^)


お部屋にもすごくお似合いです!ルーツファクトリーにリメイクをお任せいただきありがとうございました1





家具の仕様は外観だけではわからないことも多く、リメイクは予想外の作業が発生することも多いもの。


お客様のご希望を叶えるためにどうするべきか、考えに考えリメイクさせていただいた家具がお客様に喜んでいただけた時は言葉にできないほど嬉しい気持ちになります(*´∀`*)


次はどんな家具に出会えるかな。ご相談お待ちしております♪





ユリマタタ
ルーツファクトリー東京店長
ユリマタタ

反りがあっても大丈夫。無垢一枚板の和裁用作業板を収納棚にリメイク!




ダイニング、座卓、ちゃぶ台、食卓、いろんなテーブルのリメイク実例をご紹介!


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