亡きお母様の大切な家具をお仏壇にリメイク。暮らしに馴染む扉の工夫


亡きお母様が大切にされていたタンスと鏡台。思い出の詰まった家具を、これからもそばで感じられるように…。上置き型のお仏壇へとリメイクさせていただきました。

今回ご依頼くださったのは、大阪府堺市にお住まいのお客様。以前からルーツファクトリーにリメイクのご相談をいただいていたのですが、大切な家具に手を加えること、そしてご予算のことなど、じっくりとお考えくださっていました。そして改めて「やっぱりリメイクをお願いしたい」とご連絡をくださったのです。

大切な家具のリメイクを、ルーツファクトリーにお任せくださり、ありがとうございます!

お母様が大切にしていたタンスと鏡台

お母様が大切になさっていたタンスと鏡台は、クラシカルな雰囲気が素敵なもの。こちらの家具を活かして、お父様とお母様のお仏壇にリメイクできれば…とお考えになったのだそうです。

これまでもブログでご紹介してきましたが『思い出の家具をお仏壇にリメイクする』というご相談は年々増えています。

かけがえのない家具の形を変えて、これからもそばに寄り添う一生物の存在に。思いの詰まった家具だからこそ、新しい形に生まれ変わることで、さらに意味のあるものになるのだと感じています。

クラシカルな雰囲気のタンス

今回ご依頼いただいたのは、リビングの造り付け収納の中にすっきり収まる、上置き型のお仏壇。設置場所のサイズはW560 D420 H445と限られたスペースです。今はその場所に、お位牌などが大切に飾られている状態でした。

お仏壇を置くリビング

この場所はリビングのテレビ横ということもあり、ご家族の皆さんが集まる、暮らしの中心となるような場所です。空間に自然に馴染むよう「お仏壇のお色味は白でシンプルに仕上げてほしい」とのご希望もいただきました。

そこで今回は大切な家具を活かしながら、シンプルで空間に馴染む、すっきりとしたお仏壇へとリメイクさせていただくことになりました!

鏡台

お仏壇の扉は基本的に開けたままにされることが多いとのことで、扉を開いた状態でもすっきりと美しく見えるよう、デザインをじっくり考えます。 が、しかし、デザインはほとんど出来上がっているものの、扉を綺麗に収納するための構造がなかなかうまくいきません…!

お仏壇の製作過程

今回は設置場所の奥行きがタイトなため、お仏壇のサイズに制限があります。これまでもさまざまなお仏壇製作を手掛けてきましたが、この条件に合わせるには、今までとは違う扉の収納方法を考えなければなりませんでした。

この両サイドのわずかな隙間に扉を収められるようにしたいのですが、どうすればスムーズに、すっきり綺麗に収まるのか…製作陣は頭を悩ませていました。

お仏壇の構造に悩む

「ああでもない、こうでもない」と何度も試作を重ね、あともう少し…!と粘りに粘って、ようやく辿り着いたのが、折れ戸の構造です。

扉の奥に折れ戸を作り、扉を開いた時にスムーズに収納できるように。折れ戸の上下にはコロをつけて、スムーズに開け閉めができるよう工夫しました!

扉の構造決定

この構造を考えるため、お客様には大変長らくお待ちいただくことになってしまいました…。ただ単純に『家具を作る』のであれば、もっと短い期間で完成したかもしれません。

しかし、お客様の大切な家具をできる限り活かし、妥協のない素敵な家具をお届けしたい!その一心で、今回もじっくりと時間をかけ、心を込めてお作りさせていただきました。

そしてついに、完成したお仏壇がこちらです!

大切な家具をリメイクして作ったお仏壇

空間に合わせて白に塗装したことで、すっきりとスタイリッシュな印象に♪ シンプルなデザインなので、リビングの造り付け収納部分にも自然に馴染むようになりました。

そして、今回のこだわりポイントでもある扉部分。折れ戸の構造でお作りしていますが、正面から見ると通常の開き扉のように見えます。

開き扉

あれ?折れ戸は?どうなってるの?

実はこの扉、折れ戸になっている部分が側板の内側にすっきりと収まる仕組みになっています。

しかし、普通の折れ戸だとスムーズに開け閉めすることができません。そこで、折れ戸の上下にコロを取り付けることで、扉を開いて奥へ押し込むとコロが働き、すっきり綺麗に収められるようになっているんです♪

扉の奥が折れ戸になっている

そして、こだわり抜いた扉を開けると…背板には、鏡台の扉を活かしました。用途も雰囲気もガラリと変わりましたが、お母様が大切にされていた家具の面影をしっかりと感じていただける部分になっています。

扉を開いたお仏壇

さらに、小さなつまみを引くと、便利なスライド棚が現れます。お線香やお供えを置くのにぴったりです。

スライド棚

今回は、ご自宅の収納スペースに『ぴったりはめ込む形』でお作りしたので、サイズ合わせがとても重要でした。事前にしっかり採寸して確認はしていましたが、お届けの日まではスタッフ一同「ちゃんと収まるかな?大丈夫かな?」と、少しドキドキしていました…!

そしていよいよ、お仏壇を設置してみると…想像以上のぴったり具合! 白く塗装したことで、まるで前からそこにあったかのように空間に馴染み、すっきりと美しく収まりました♪

設置場所に綺麗に収まったお仏壇

特に力を入れた扉部分。ブログをご覧の方の中には「普通の開き扉でもよかったのでは?」と感じられるかもしれません。

今回のように扉を開けたまま使うことが多い場合、通常の扉だと開いた扉が収納スペースからはみ出してしまい、生活の中で邪魔になってしまう可能性があります。

暮らしの中で自然に溶け込み、快適にお使いいただけるよう、構造も細かく計算し、工夫を凝らしてお作りしました。

扉が邪魔にならない美しいデザインのお仏壇

また、設置場所にはコードを引き込めるスペースもあったため、お仏壇内部に照明を仕込みました。照明の色味も、お仏壇の白に馴染む優しい色を選び、まとまりのあるすっきりとした雰囲気に仕上げています。

照明を仕込んだお仏壇

亡きお母様が大切にされていた家具は、形を変えて、これからもご家族に寄り添う特別なお仏壇に。この度は、思い出の詰まった大切な家具のリメイクをルーツファクトリーにお任せくださり、本当にありがとうございました。

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